国字は、日本で作られた漢字
漢字は中国から日本へ伝わりましたが、日本の生活や文化を表すため、日本で新しい文字も作られました。このような漢字を国字、または和製漢字と呼びます。見た目は一般の漢字と同じように部品を組み合わせて作られているため、由来を知らなければ区別できないこともあります。
代表的な国字
- 峠(とうげ):山道の上りから下りへ移る場所。
- 畑(はたけ):田に対して、水を張らず作物を育てる耕地。
- 辻(つじ):道が交わる場所。
- 榊(さかき):神事に用いられる植物。
- 働(はたらく):人を表す「亻」と「動」を組み合わせた字。
国字の認定や成立事情には諸説がある字もあります。特定の字がいつ、誰によって作られたかまで明確とは限りません。
訓読みが中心になりやすい
中国語の発音を取り入れた音読みを持たず、日本語の言葉に対応する訓読みだけを持つ国字が多くあります。一方、「働」の「ドウ」のように、構成要素の音や後世の使用から音読みを持つ字もあります。「国字なら必ず訓読みだけ」と決め付けることはできません。
会意の考え方で意味を表す字が多い
「峠」は山・上・下、「辻」はしんにょうと十字路を思わせる「十」、「榊」は木と神を組み合わせています。このように、既存の漢字の意味を合わせ、日本独自の物や概念を表す字が多く見られます。成り立ちを考えると、初めて見た字でも意味を想像しやすくなります。
国字と国訓は別のもの
国字は文字そのものが日本で作られたものです。一方、もともと中国に存在した漢字へ、日本独自の意味や訓読みを与えたものは国訓と呼ばれます。たとえば「鮎」は中国の古い用法と日本での「あゆ」という意味が異なる例として挙げられます。文字の出身と、日本での意味の変化を分けて考えることが大切です。
名字や地名で出会う国字
国字は「辻」「峠」「榊」など、名字や地名にも現れます。固有名詞では読み方が一つとは限らないため、字の一般的な読みから推測できない場合は、本人や自治体の正式表記を確認しましょう。
学習のポイント:国字を覚えるときは、構成する部品、表す日本語、実際に使う語を一組にすると定着します。