「スマホを使うと漢字を忘れる」だけでは整理できない
文章入力では、読みを打てば変換候補が出ます。そのため手で一画ずつ思い出す機会は減りました。一方、入力では同音異義語から正しい字を選ぶ力や、文脈に合う語を判断する力が必要です。手書きとタイピングは、同じ能力を競うものではありません。
漢字力を三つに分ける
- 読める:文章中の漢字を見て読み・意味が分かる。
- 選べる:変換候補から文脈に合う漢字を選べる。
- 書ける:手掛かりなしで字形を再現できる。
どこで困っているかを分けると、必要な練習が見えます。
タイピングは、語彙と使い分けの練習に向く
文章を多く書けるので、変換候補の比較、同音異義語の使い分け、熟語の使用に向いています。変換後に必ず読み返し、「保証/保障」のような語を意味で選べているか確認します。
手書きは、字形を自力で取り出す練習に向く
住所、申込書、メモ、試験など、手書きが必要な場面は残っています。自力で字形を思い出せない語は、短時間の書き取りを使います。一文字を何十回も写すより、答えを隠して一度書き、間違えた部分を直す方が弱点を確認できます。
一つの語を「入力→手書き→文章」で回す
覚えたい熟語をPCで例文に使い、翌日に読みだけを見て手書きし、さらに別の文を入力してみます。異なる方法で同じ語を取り出すことで、読み・意味・字形の結び付きが強くなります。
目的に応じて、練習の比率を変える
仕事の文書作成が目的なら「選べる」力を多めに、漢検や手書き試験なら「書ける」練習を増やします。大人の学び直しについては大人の漢字学習も参考になります。大切なのは、昔と同じ勉強法をそのまま繰り返すのではなく、現在必要な能力へ時間を配分することです。
学習のポイント:「読める・選べる・書ける」を別々に評価し、目的に合う方法を組み合わせましょう。タイピングも手書きも、漢字を実際に使うための道具です。